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部屋の鍵を開ける音がしなくなってどれくらいの月日が経っただろう…
まだ、2日と経っていない…
時の流れは嘘つきだ
ベッドの片隅に転がる携帯電話は凍結された氷だ…
手には指輪が2つとスペアキーを赤子のように握りしめ、未だに離せずにいる…
神様、もしも願いが叶うのなら、今までと変わらない日常を与えてくれますか?
その一方で彼女は、新しい彼と育む幸せを願っている
彼女を強がりで送り出した俺は、彼女にとって神様となりえただろうか…
彼女の私物と引き換えに渡されたスペアキーと指輪があまりにも重すぎて…
手から零れ落ちそうになるのを必死に握りしめた…
そのままベッドに崩れ落ちた…
携帯電話が床に落ち、部屋の隅の方に滑走していった…
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