19人が本棚に入れています
本棚に追加
「そ、そうか……。ありがとう、優しいんだな、鳴海って」
「なに、俺も友達が増えるのはやぶさかじゃないんだ」
「そうなのか。いや、うん。こんな僕と友達になってくれて嬉しいよ。これからよろしく頼む」
何故か有栖川はかしこまって右手を出してきた。つまり、握手ってことか。まあ、拒む理由もない。
「ああ、よろしく」
俺達はがっちり握手して、友達になることとなった。
有栖川と友達、か。確かにキザで嫌味な野郎ではあるけれど、なんとなく良い友人になれる予感がした。
――だが、この時の予感は、後々裏切られることになることを今の俺に知る由もなかった。
最初のコメントを投稿しよう!