Prologue

11/11
前へ
/27ページ
次へ
「そ、そうか……。ありがとう、優しいんだな、鳴海って」 「なに、俺も友達が増えるのはやぶさかじゃないんだ」 「そうなのか。いや、うん。こんな僕と友達になってくれて嬉しいよ。これからよろしく頼む」 何故か有栖川はかしこまって右手を出してきた。つまり、握手ってことか。まあ、拒む理由もない。 「ああ、よろしく」 俺達はがっちり握手して、友達になることとなった。 有栖川と友達、か。確かにキザで嫌味な野郎ではあるけれど、なんとなく良い友人になれる予感がした。 ――だが、この時の予感は、後々裏切られることになることを今の俺に知る由もなかった。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加