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それも全ては祖父のせいだ。飛鳥を厳しく育てすぎたんだ。妹なんだからもっと兄の俺を頼ってくれればいいのに、こいつはなんでも1人で背負いこもうとする。
「……喧嘩したんですか」
こうなった以上嘘をつく方がかえって危険だな。正直に話そう。
「喧嘩っつーか、一発殴っただけっていうか……」
どっちかというと俺はまるきり被害者なのだが、殴った手前そんなことは言い辛い。
「理由を教えてくれますか?」
「え……、あ、ああ、もちろん」
一瞬驚いて固まってしまった。即道場行きを覚悟していたからな。
それから、俺はさっきの出来事について話した。有栖川が不良に囲まれていたこと。最初はずっと逃げていたこと。でもなんか不良から逃げるのは釈然としないので結局やっちゃったこと。それらのことを、飛鳥はずっと静かに聞いていた。
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