Chapter1

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「……そういうことでしたか」 「ああ、分かってくれたか」 「まあ、アホな兄さんが無視してその場を立ち去らず、挙句の果てには無駄に体力を使うという愚かな振る舞いをしたことは理解しました」 「ぬぐぅ! た、確かにその通りだから否定できない……!」 「大体、何故兄さんはその公園に立ち寄ったのですか」 「え!? そ、そりゃあれだよははははは……」 鋭い妹だな全く。みーちゃんに会いに行きましたなんて言ったらあの可愛らしいお口から罵詈雑言を浴びせられるに違いない。絶対バカにされる。 く、このままでは兄としての威厳が保てない……! どうすれバインダー!! 「ま、大方その公園に猫でもいてそのエサやりに行ったってとこでしょう」 「お前はエスパーか!?」 「は? なにいってるんですか? わたしがエスパーなわけないでしょう」 「なんでまじめに返すんだよ! 冗談だっての!」 「ああ、さっきのは冗談だったんですね。とうとう兄さんが本格的におかしくなったかと思ってまじめに返してしまいました」 「ひど!? てか、その言い方だと俺って今も多少はおかしいってことにならね!?」 「え、違うんですか?」 「なんで顔がマジなんだよ!?」 「……ふふ、冗談です」 「お前の冗談の方が分かりにくいわ!」 はぁはぁはぁ……。飛鳥には喧嘩も勝てそうにないが口喧嘩はもっと勝てそうにないな……。大体、なんでこいつみーちゃんのことっていうか俺が公園の猫にエサやりに行ってたこと知ってんだよ。誰にも口にしたことないのに。
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