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「あっそういえば、同じクラスの真栄田が椿のこと好きなんだって!相変わらずモテるね!」
「…興味ない。てか真栄田って誰」
「…………知らないの?1年からバスケ部のスタメンだよで、今年の夏のキャプテン候補!!」
そんな目をかっぴらいて
言われても知らん。
「知らないよ。興味ないから」
「か~っもったいない!」
おっさんか。
横でもったいないを
連呼する小梅にポチは
首を傾げた。
男なんて容姿端麗な
私しか見てない
本当の中身なんて
誰も知らないし
逆に知りたくないだろう。
「あっ!アタシ今から野球中継見なきゃ!じゃっ椿!」
「え……。じゃあ…。」
まさかここまで
一緒にいて野球中継を
思い出すとわ。
なにあの子。
「あぁー!!!待って!待って!待ってクリスティン!」
わんわんわんわん!
と前から犬が走ってくる
その後ろで
飼い主らしき人物が
泣きそうになりながら
追いかけているではないか。
「えっうそっ…」
犬が止まりポチに
じゃれかかった。
「ちょっ!えっ!」
「あぁぁぁあ!!クリスティンだめだよ!離れろよっ!クリスティーン」
だけどなんか
ポチ楽しそうなんですけど
ようやく飼い主が
離したところでひとまず落ち着く
さっきから
飼い主は頭を何度も下げ
謝ってくる
「あっ気にしないでください。びっくりしたけど…わんちゃんが無事捕まえれたなら良かったです」
泣きそうな顔してたし…
「本当ごめん。…って花の君!!」
「えっ」
花の君なんて
同じ学校の奴しか呼ばない
ということは
この飼い主は同じ学校の人。
「ごめん本当!でも花の君のおかげで助かったよ!ありがとう!花の君!!」
花の君って呼ぶな
恥ずかしい。
通行人見てるし
何人か笑ってるじゃん
「いっいえ、気にしないでください。では失礼します。ほら…行くわよポチリーナ」
…ポチリーナって誰!
なにクリスティンに反抗しようと
してんのよ私!!
ポチが不思議な顔してるわ!
えっ俺?
ポチリーナって俺なの?
いやいやいや、ポチですけど?
みたいな顔してるわ!
「ありがとう花の君ぃぃぃぃ!」
遠くで飼い主が
叫んでる
やめて…恥ずかしいから
――――
これが私と空海 星夜が
はじめて出会った場所。
きっとここから私の全てが
変わり始めた気がする
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