序章

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「あっ! 僕は これで いいや」 おいおい 何 勝手に 入れてやがる しかも 当たり前のように 「ほら 洋貴 大体 こんなもんなんだろ? さっさと 会計済ませてよ カートの前を 引きながら レジに向かう 菫 俺は そのカートに 引かれるようにして ついて行く 菫を 連れ立って…て 言うか 菫が 勝手に ついてきているのだが 部屋に戻る 「…って その弁当やるから 持って 帰れよ 菫」 さも 当たり前のように 小さいテーブルの上に 自分と 俺の分の 弁当を並べ 二つのグラスに お茶を注いでる 因みに スーパーでの 袋詰め 部屋に帰ってからの 食材の片付けも 菫が 勝手に 手際良くしてしまった 俺は ただ 買い物袋を 運んだだけだが… 「あっ ばあちゃんには 言ってあるから 大丈夫だよ」 菫が 問題無いことを 告げる いやいや そうじゃ無いだろ? まっ 何を言っても 通じない 菫は そういう奴だ さて 食うか 「はい いただきます」 箸を持ったまま 手を合わせ お辞儀をして そう言う菫 「いただきます」 俺も 遅れて 同じ様にしながら言う それを 確認してから 弁当に 箸を伸ばす 菫 ここ数年 毎晩のように 繰り返してきた風景
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