章間(2) 死刑囚、佐伯 雅孝

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そう思ったのでした。 ちょうど炊き出しボランティアの募集を目にし、 それに参加することを決めたのです。 充実していました。 誰もが、女性として扱ってくれることに。 半年ぐらいたった頃でしょうか 私にも恋人が出来ました。 炊き出しの買い物によく行く 商店街の中にある酒屋さんの店員さん 大江 淳史(おおえ あつし)さん たまたま入ったBARで隣り合った それだけの本当にただの偶然でした。 意気投合し、そのままホテルに行きました。 私は女性である悦びを初めて知りました。 それに気づいた彼は、責任を取ると 付き合うことになったのです。 楽しい日々が続きました。 両親の事故から1年が経ち 雅孝での行動をしていない事を思い出し いっそのこと、探してもらおうと思いました。 化粧も上手になったし 気付かれないと思ったんです。 あの事件に関わった刑事さんが 今は私立探偵をしてると聞きました。 その人に、気付かれないなら、大丈夫と。
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