章間(2) 死刑囚、佐伯 雅孝

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写真を見せ、兄と言った所、 難しい顔にはなりましたが 引き受けてくれることに、化粧のせいか、 本人だとは気づかれてなかったようでした。 その日も炊き出しボランティアが有ったので 行ってみると、一人のホームレスの方が、 じーっと、私を見ていました。 どうしたのかと聞くと 「あんた、女だったのかい?」 と言われました。 正体が、見破られた?なんとかしないと、 と思いボランティア仲間に、 誰なのかを聞き、寝ている所も 教えてもらいました。 缶入りのお酒を数本買い コンビニでレインコートも買い 彼の寝ている所に行き、 もう一度なぜそう言ったのか聞きだしました。 やはり、私が雅孝だと気付いたそうです。 それなら、生きててもらっては、困ります。 少し強引に、お酒を勧めました。 酔った所を、目に止まった刃物 たぶん、包丁だったと思います。 柄に布を被せ持ち、レインコートを着て 刺しました、何度も何度も刺しました。
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