章間(2) 死刑囚、佐伯 雅孝

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そして、外に人影がない事を確認して 外に出て、返り血が付かないように 慎重に、レインコートを脱ぎ丸め 袋に押し入れました。 レインコートは廃工場で焼きました。 次の日、彼に逢いました。 そうすると彼から昨日、河原で事件があったと言われました。 知ってる?と聞かれ私がしたんだろう?と言われてる気がしました。 万が一を考え、ナイフを持ってました。 彼に抱き着きました。 最後の抱擁です。 持っていたナイフを腰のあたりに刺しました。 一気に深く、そして抜きました。 抱き締めたまま陳列商品で、外からは抱き合ってるようにしか、 見えていないはずです。 彼の血が私の服に付く前に離れました。 言葉もなく、崩れていく彼を確認してから その場を離れました。 休日な事もあるのでしょう、人がたくさんいました。 それに紛れるように早く遠ざからないと、としてる所 ふいに、声を掛けられました。 あの探偵さんの助手とか言ってた() 菫ちゃんでした。
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