章間(2) 死刑囚、佐伯 雅孝

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女性刑事さんに目掛け、体当たりをしようと 駆けだすと後ろから、探偵さんの「…あっ…」と言う声が 聞こえたと同時に体が宙に浮きました。 そのまま景色が回転したかと思ったら、背中に強い衝撃。 地面に叩きつけられたのでした。 息が出来ず、抵抗も出来ませんでした。 そして、逮捕されました。 その後、聞きました。 最初の被害者の娘さんが菫ちゃんである事。 父親は、その前の年に事故死していて、 父方の祖父母の所に身を寄せ、頑張っていた母親なんだと 私は菫ちゃんから母親を奪っていた。 さらに菫ちゃんまで、、、 自分の父母を葬った時より、深く重いものが 圧し掛かってきました。 私は、死刑が確定しました。 当然です、5人も殺してしまって、 一人を重体にしてしまったのですから 死刑は受け入れます。 一つだけお願いしていた事が叶いました。 菫ちゃんのお母さんのお墓参りです。 深く深く詫びました。胸を締め付けられました。 なんて愚かなことをしたんだろう。
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