第5章

2/12
前へ
/136ページ
次へ
私は、井江森 菫(いえもり すみれ)。 大学を 卒業したばかりです。 就職先は、探偵社に決まっています。 あれから、10年、色々な事がありました。 私の大学進学の年に、寝たきりだった、祖父が他界し、その2年後、祖母が他界しました。 私が、唯一の相続人でした。 祖父母宅と、かつてのあのボロアパートの他は全て、手放し、ボロアパートを7階建てマンションに建て替えました。 1階全フロアは、管理人室と共有スペース 2階全フロアが、私の就職先でもある、探偵社。 調査員は、私も含めると、8人です。 居住階は、3階から上です。 2階にも、居住出来る部屋はあるのですけど… 今日は、社会人としての、初出勤です。 真新しい、パンツスーツに着替えて、家を出ます。 通勤時間、わずか5分、通いなれた道、散り際の桜の花びらが 舞っています。 そして、マンションのエントランスには、雑用を一手に引き受けてくれている 管理人さんが居ました。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加