第5章

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「おはようございます。管理人さん、ご苦労様です。 何も問題は無いですか?」 私が声を掛けると、 「ああ、オーナーおはようございます。何も問題無いですよ。 スーツお似合いですね」 似合うと言われ照れてしまう、それにオーナー呼びもなんだか気恥ずかし。 「あの…オーナー呼びは、どうにかなりませんか?」 管理人さんは年上だから、何度、そう呼ばれても慣れない。 「では、なんとお呼びすれば?」 それはそうだろう 「井江森でも、菫でも、構いませんよ?」 「それじゃあ…井江森さん、今日はどうなさいました?」 まぁ、親しいとも言えないし、長い付き合いになるとも言えないから、 そんなところかな? 「ああ、今日から本就職なんですよ。」 2階を指差し、言うと 「なるほどぉ…いってらっしゃいませ」 笑顔でそう送り出される、マンションを上に上がるだけだから、 少し、おかしな感じはするが、同じく笑顔で会釈し 2階への階段を駆け上がる。
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