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目指すは、同じ2階にある、唯一の居住部屋。
近付くにつれ、歩くのが早くなってるのは、自分でも気付いてる。
他のドアは、まだまだ新しのに、その部屋のドアだけは古びている。
そこの部屋主が、どうしても、このドアじゃないとダメなんだと、
言い張った、角に当たっても、怪我しないように、ゴム板が貼られたドア
ドアの前に立つ
あの頃、毎朝、私が…ううん…僕が、叩いていたドア。
今は、そっと撫でる、このドアの合鍵は、まだ返していない。
鍵穴に差し込み、そっと回す。
『ガチャッ』鍵が開く、ノブを回し、そっとドアを開ける。
ドアチェーンは無い。
中に入る、静かに奥に向かう、パイプベッドの上、
無精髭に白いのが混ざり始め
伸びた髪にも白髪が混ざっている、それを無造作に束ね。
少しお酒臭い息を吐きながら
薄汚れた布団を抱きしめるように寝ている、
さえないおじさん…
パイプベッドの横の床に座り、目線を合わせる。
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