第5章

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「それで、菫ちゃんのバディは、 隣に立ってる小汚いおじさんの佐江内代表に、お願いします。」 頭を掻きながら、あくびをしている洋貴 「…ん?なんか、一言多くないか?」 そんな洋貴の言葉をよそに、笑いを堪えている調査員の面々。 私もその理由には心当たりがある。 だって、起こしてから、顔も洗ってないんだから洋貴は 私だって、大学に進学してから、お化粧もするようになったからね。 「じゃあ、案件継続中な人は、そのまま続けて…手の空いてる これとこれを‥」 流石、雅さん、完璧な仕切りです。 「…で、先輩と菫ちゃんはこれをお願いね」 一枚の紙を手渡される洋貴が受け取り目を通す 「……はっ?また、こいつかよ?今年に入って何度目だよ?」 洋貴の手にある紙を覗き込むように見る。 「あー…またこの子かぁ」 私も知ってる脱走癖のある猫 「しゃあねえな…行くぞ、菫」 そう言って、出て行こうとする洋貴に雅さんが声を掛ける
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