第6章(終章)

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美咲の姿が薄れていく 「もう逝くんだな………」 その隣に、長身の男が立つ 「おぅ、馬鹿野郎、そっちでもいいから、今度は幸せにしてやれよ…」 男は、頭を下げる 「いつになるか、分からないが、俺がそっちに逝ったら また、一緒に飲もうぜ、いい酒、用意しといてくれ…」 老女のそばに立っていた 「なんだ、バァさんもかよ…あんたの教育のおかげだな、 菫は、あんたに負けず劣らず、しっかり者だ、安心しな…」 3人が、薄れながら、揃って頭を下げる 「じゃあ、俺がそっちに逝くまで、またな…」 ・ ・ ・ ・ 夢枕ってやつかな… そろそろ起きなきゃとは思うんだがな このまどろみの時間と言うものは なかなか、抜け出せない物でなぁ それに何だか温かいのが、顔に近付いてきてて 気持ちいいんだよ… ん?唇に、なんか柔らかい感触が…? ほのかに甘い匂いまでしやがる… ・・・・!!!! その感触で、一気に現実に引き戻される。
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