第6章(終章)

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菫が居れば、楽な案件だ。 「しゃあねえな…行くぞ、菫」 菫を引き連れて、出て行こうとする俺を雅が呼び止める。 「先輩、その前に顔、洗っていって下さいね。 それと…ちゃんと責任取りなさいよ?これ以上、泣かせたら 本気で、絞めるからね?」 顔ぐらい洗わんでも、と言うか責任って? 頭に疑問符が並ぶ、とりあえず絞められたくは無いから 顔、洗ってくるか… 洗面台の鏡に映る自分の顔を見る。 ん?俺の唇って、こんな色だったか?? 少し指で(ぬぐ)ってみる、こすれ伸びる。 「あ゛ーーーーーー!!」 思わず叫んでしまった。 皆が笑い堪えてたのは、これか!! 急いで顔を洗い、タオルで拭きながら、 洗面所のドアを開けようとしたら菫の声がした。 「洋貴は、私のヒーローですから! 今までも、これからも、ずっと!」 そのままUターンして、今度は思いっきり冷たい水で、顔を洗った。 『おれは、そんなんじゃねぇよ』 と思いながらも、緩む頬を抑えられなかった・・・ ー完ー
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