18人が本棚に入れています
本棚に追加
/136ページ
『……カンッ…カンッ・・カンッ・カンッ』
外の鉄階段を駆け上がってくる足音が聞こえる。
やがてその足音は、男の部屋の前で止まる。
そして、いきなりドアを壊す勢いで
ドンッドンッドンッと叩かれる
「お~い、起きろぉ~、ひろきぃ~!」
ドンッドンッドンッドンッ
(っ痛…ったく、何だよ…こんな朝早くから…)
二日酔いで痛む頭を押さえながら、身を起こす男…
[佐江内洋貴]
名前の通り さえない男
つまり、俺だ……
「ったく うるせぇなぁ…」
思わず漏れ出る愚痴を吐きつつも
ドアを壊されたら
大家のババァに『出てけぇ』
なんて 怒鳴られそうだしなぁ…
まだ叩かれているドアの鍵を開けると、
待っていましたとばかりに勢いよく開かれる。
(そんな勢いのドアに当たったら 痛いだろうなぁ)
外開きのドア、つまり俺の方には開かない。
[ガッ!]
あっ…やっぱり当たった…
「!!?…っ痛っ……」
ドアにぶつけた、頭をさすりながらしゃがみ込む人影
最初のコメントを投稿しよう!