第1章

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それと 嗅いだ事のある奴なら すぐにわかる あの吐き気を誘う臭い…… 慌てて閉め 少し離れて 大きく 息を吸う そして 大きく 吐く ポケットから 吸いかけの方の タバコを出し ライターで 火をつける 『スー …… ハァー……』 多めに 煙を吸い込み 吐き出す 「ふぅ~ まいったなぁ……」 スマホを取り出し そこにある一つの名前をタップし 電話をかける 『… … … もしもし?』 嫌悪感丸出しの 不機嫌な声が 聞こえてくる 「…あ~ 俺だけど…… 久しぶり あははっ」 少し バツが悪いんだが この際 贅沢は 言ってられないし 『…また くだらない話じゃ 無いでしょうね?』 やっぱり 苦手な相手だなぁ… 「あ~ いや 今回は くだらなくない 多分…」 さて どう説明したものか… 『はぁ~? 長話なら お断り 端的に 説明を』 もう少し 言い方が なんとか ならないかな?… 「……多分 人が死んでる 多分 出血死だな……」 そう あの臭いは 間違いなく 血の臭い それも 大量で 乾いてない 『多分が 多いわね…… 場所は? これから すぐ 向かうから……』 詳細な場所を 伝えてから 電話を切る
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