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適当な所に 腰を下ろし しばらく待っていると
一台の車が 静かに近付いてくる
中の奴が 俺を確認したのか
ヘッドライトが 消される
両側のドアが 開く
運転席側から 降りたのは 小柄で 痩せてる男
助手席側から 降りたのは 割と身長も高く 均整の取れた 減り張りのある体つきの女
その女の方が 俺に 近付いてくる
スカートスーツに 身を包み
背筋を ピンと伸ばし
凛とした 雰囲気を 醸し出している
俺からも その顔が 確認出来る距離まで 近付いてきた
俺は 軽く手を上げる
女優ですって 言われても 十分 通用しそうな 顔立ち
ただ その視線だけは 鋭く
俺を 見る目は 蔑んでる感もある
「…で どこ?」
短く言い放つ その女
「はぁ… もうちょっと 言い方ってもんが あるだろ? 雅ちゃんよ」
俺が そう言うと 一瞬で
怒り顔になる その女
咲良 雅
「…いいから どこなのよ?」
わなわなと 唇の端を 震わせながら 聞いてくる 雅
確か 階級は 警部補か…
俺は それ以上 何も言わずに
青いシートの 小屋を指差す
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