序章

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「お前なぁ・・・・何故?自分で開けたドアにぶつかる?」 いつもの事なので,呆れながら問う。 「ぃたあ…知らないよぉ ドアが 悪いんだ」 おい おい ドアのせいかよ? 「ドアが悪いって お前のバァさんが聞いたら 悲しむぞ?」 まだ 痛む頭を さすりながら 立ち上がる人影は [井江森 菫(いえもり すみれ)] このアパートの大家の孫だ。 「…んで 何のようだ? こんなに 朝早くから?」 二日酔いの頭が痛む こんな奴の相手はさっさと済ませて寝たい… 「ててっ……えっ? あぁ今日から中学生なんだ!!」 はっ?それだけの為に、俺の大事な睡眠を奪ったのか? 「いや……それ昨日も一昨日も聞いてるから知ってるが…」 菫は 毎日 俺の所に顔を出す 本人は『僕は洋貴の助手なんだから 当然だ』などと言う 「へへ、制服似合ってるかな?」 そう言いながら、目の前で 前を向いたり、後ろを向いたり いろいろなポーズを取っている。 「ほう……いつから女装の趣味があるんだ?」 菫は新しいセーラー服を身にまとっていた。
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