第2章

3/27
前へ
/136ページ
次へ
「……ったく……帰らなかったのかよ……」 ぼやきながらも 毛布をかけてやる キッチンに行き スマホを取り出し ある番号にかける 『… … … はぃ もしもし』 まだ 起きてたか まぁ 当たり前か… 「あっ バァさんか 俺だ…」 『……解ってるよ 菫 寝ちまったんだろ? 明日も 休みだし そのまんま 泊まらせてやっておくれ』 「…はぁ? おい 一応 俺は 男だし 菫は まだ 子供だが 女の子だぞ? いいのか?」 いくら何でも 中年男の部屋に 泊まらせるのは マズいだろ? 『…フフッ おまえさんに そんな事が 出来てるんなら ずいぶん前から その部屋は 空き部屋に なってるさね』 ……ったく 孫も孫なら バァさんも バァさんだな 確かに 犯罪者には なりたくねえょ… 「っち わぁ~たよ」 そのまま 相手の返事も 聞かずに 携帯を切る 「…ったく……」 再び ベッドのそばに行き ベッドに背中を預けるようにして 床に座る 「………おばあちゃん……なんて 言ってたの?」 なんだ 起きたのか…… 不安そうに 聞いてきた菫に 「…泊まっていっていいってよ…」 それだけ言ってやる
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加