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俺は 走っていた とある 救急病院に
急げ 俺
頼む 助かってくれ
駆け込むように 病院の入り口を抜け ICUの前に
ガラス張りの向こうのベッドに
呼吸器を付け 横になっている
1人の女性 顔は蒼白 意識も無いようだ
「がっ 頑張れ 美咲 死ぬんじゃないぞ……す 菫を 1人にするんじゃ… ないぞ…」
祈りとも 恫喝とも 取れる 俺の口から 絶え絶えに こぼれる言葉
そんな 俺に 横から 声がかかる
「……先輩…すみません 私が そばに居たのに……すみません」
深々と頭を下げて 体を小刻みに 震わせて… 多分 必死に泣くのを こらえているのだろう 声も 震えている
「てめぇ… たとえ 非番だからっていって 警官が弛んでるんじゃねぇ!」
理不尽な怒りなのは 解っている
しかし どこかに ぶつけないと 済まされない怒りの矛先は
目の前で 深々と頭を下げてる雅に 向けられる
今年 刑事課に配属されたばかりだが 制服経験もちゃんとある警官だ
そして 一般人の実咲の親友でもある
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