あの日

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母ちゃんの怒鳴り声で目が覚めた。時計を見る。どう頑張っても遅刻決定の時間だった。まあいつもの事なので特に急ぐ事もない。 母ちゃんは昨日の不機嫌を今日も引きずっているようだった。 また気分を悪くした俺は朝飯も喰わずに家を出た。 学校についても俺の機嫌は直らず、親友の尚樹の挨拶にもそっけなく対応した。 事件はその日の昼休みに起きた。 俺が味気ない菓子パンをマズそうにくっていると、クラスのボス気取りの大橋が近づいてきていった。 「おお、お前メロンパン2つもあるじゃねえか。俺の魚パンと交換してくれよ」 俺ははっきりいってえらそうで馴れ馴れしい大橋が大嫌いだった。 「なんで俺のメロンパンをお前にやらなきゃいけないんだよ!DHAはお前にこそ必要なものだろ!」 怒鳴ると大橋は一瞬驚いたようだったが、不機嫌に顔を歪めて俺の机を蹴った。 「何してんだよ!てめえ喧嘩売ってんのか!?」 立ち上がり叫ぶとザワザワしていた教室が一瞬で静まり返った。 「喧嘩売ってんのはお前だ。誰の顔が魚パンだって?もう一度いってみろコラ!」 そんな事は一言もいってない。馬鹿らしくなった俺は座り直し食事に戻ろうとした。 大橋が俺の頭をぺしぺしと二度叩いた。それで急激に頭に血が上った俺は手を払いのけて叫んだ。 「俺はあの日なんだよ!だから俺にかまうな!!」
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