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「ほんとに違うからな!」
「はいはい、わかったよー。」
真っ赤な俺の顔じゃ説得力はなく、笑いながら答える恵美にしつこく食い下がりしばらくそんな言い合いをしていた。
辺りはだんだんと日が傾き真っ青だった海辺が太陽のオレンジ色に染まりだしたていた。
「ねえ、幸人君目をつむって10数えて?」
少し先を歩いていた恵美は振り返った。
恵美のその言葉に別れの時を感じながら俺は目を閉じゆっくり数えだした。
「いち、にい、-…」
きっと目を開けた時恵美は目の前にはいないだろう。
「…ーじゅう…。」
俺はゆっくり目を開いた。
恵美は俺の前から消えた。
ただ波の音だけが響いていた…。
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