出会い

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不幸のどん底に突き落とされた気分だった。 毎日夜眠るのが怖かった。 眠ってしまえばこのままもう朝を迎えることはないんじゃないか。 そんな恐怖に毎日おびえ、その恐怖を周りに当たり散らして紛らしていた。 そんな俺に看護師や医者は困り果てていた。 親は腫れ物に触るかのようにどこかおびえたように接してきて、息がつまりそうだった。 (…こんなところに居たって何の意味もない。) 俺は服に着替え、病院を抜け出した。 行くあてもなく、ただひたすら歩き続けていると真っ青な海が見えてきた。 俺は浜辺まで降り少し歩いていると、一人の少女が海を眺めながら立っていた。 俺は自分と同じくらいであろうその少女にくぎ付けになっていた。 白いワンピースにストールを羽織った少女は、肩に切りそろえられた髪が風でなびいていて、そう、まるで地上に舞い降りた天使のようだと思ったのだ。 その少女の近くに帽子が落ちており、それに気づくとそれを手に取り俺の元まで持ってきて「これ、あなたの?」と聞いてきた。 俺はそれまでの事がまるでスローモーションのように見えていた。
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