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朝、いつも通りにジリジリとうるさい目覚まし時計が鳴り響いて、俺はのそりと起き上った。
文字盤を見ればいつもと変わりない午前6時を差していて、面倒くさい一日の始まりを告げていた。
俺は、いつも通り顔を洗うべく、洗面所に向かった。
いつも見ていると慣れてくるものだが、俺の瞳はおかしい。
鏡に映った金と紅。
紅い、紅い瞳。
赤よりも黒く
朱よりも重い
紅。
おぞましい、忌み嫌われる紅。
それが、自分を最も強く強調している。
自分の、<影咲 総樹>の暗い、暗い紅。
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