0人が本棚に入れています
本棚に追加
この世界は不公平に満ち溢れている。
俺は産まれたときからこの異常な瞳で世界を見てきた。
全ての景色が赤を経由し、俺の下らない頭脳に記憶される。
そんな当たり前のこと。
俺にとっての日常。
例えそれが、『世界』から見たら異常な事であっても、きっとこの日常は変わることはない。
濡れた顔を拭きながら、リビングに向かう。
この家にいるのは俺一人。
産まれたときから異常と判断され
異常な人間『アナザー』として分別された俺は、母親に捨てられたらしい。
物心つく頃まで母親として認識していたのは、育児プログラムをインストールされたアンドロイドだった。
最初のコメントを投稿しよう!