ボク

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この世界は不公平に満ち溢れている。 俺は産まれたときからこの異常な瞳で世界を見てきた。 全ての景色が赤を経由し、俺の下らない頭脳に記憶される。 そんな当たり前のこと。 俺にとっての日常。 例えそれが、『世界』から見たら異常な事であっても、きっとこの日常は変わることはない。 濡れた顔を拭きながら、リビングに向かう。 この家にいるのは俺一人。 産まれたときから異常と判断され 異常な人間『アナザー』として分別された俺は、母親に捨てられたらしい。 物心つく頃まで母親として認識していたのは、育児プログラムをインストールされたアンドロイドだった。
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