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私が入行した頃は、売り手市場と言われ、『就職氷河期』と言われている今とは全く違い、それはスムーズに内定がとれた。 当時300人近くの事務職の女の子達が同じ同期として入行したけれど、今は半分も銀行に残っていない。 大半が結婚や他職業へと流れていた。 「美月さん~今日の飲み会の席どうしましょうかぁ~」 「ん?いけない!!忘れてたわ…」 危ない。自分のデスクでパソコンを叩きながら、自分ワールドに浸かっていた。 後輩の桃チャンがキューンと仔犬の様な目で私を見ていた。 「大丈夫。ちゃんと席順決めておくからね」 言いながら桃チャンの頭をポンポン撫でてあげる。
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