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「あの綺羅七夜は、私ですけど」
「そ。この子が客人が探している綺羅七夜。通称“七夜ん”Sevennightの看板娘だよ」
私と七夜んが交互に紹介すると、客人は私達の前でメデューサに睨まれたギリシャ兵のように顔面を硬直させた。
無理も無い。
探していた名探偵。綺羅七夜が、実はこの店の看板娘のバイトちゃんで、しかも目の前に本人がいるのだから仕方の無い事だ。
「おまん、それは本当か?」
「ええ。本当ですよ。彼女の推理は私が百%保証します。私は、この七夜んをサポートする彼女のナイスバディ。なおです」
私はここぞとばかりに、自己紹介を交えて、七夜んを客人に推した。
ナイスバディといっても、肉体美の方じゃなく、良き相棒の事だから悪しからず。
「そ、そうけ?」
「はい。お客さん、あなたからは何だか磯の臭いと事件の臭いがプンプンしますが、私にどう言った相談ですか?」
「七夜ん。一文字抜けてるよ、私“達”でしょう!」
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