プロローグ

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 私と七夜んの出逢いについて少し触れておこう。  実は私がバイトしている今の店“seven-night”の店長は、店の看板娘を発掘しようと躍起になっていた。  看板娘より正社員やバイトを数多く、雇った方が得だと言う人もいるだろうけど。  看板娘のもたらす効果を甘く見てはいけない。看板娘のシステムは、江戸時代の頃からあったのだ。  従って看板娘がいるかいないかで、店の売り上げに大きな差が出るのは事実である。  看板娘の話はこの辺にしておこう。  とにかく、店長が店の売り上げの為に躍起になっていた時の事。  この店に彗星の如く現れたのが、七夜んだ。  丁度。満月が導く殺人事件が店内で起こった時だった。  何故、満月が殺人事件を導くのか?  七夜ん曰わく、月は地球との距離によって液体を引っ張り上げる力“斥力”て言うのかな?があるみたいで。  地球との距離が最も近い満月の日は、同じ液体である体内の血液も上に引っ張られて、文字通り“頭に血が登る現象が起こる”そうよ。  だから、訳も無くカッとなって殺人を起こすらしいんだけど。
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