深 海 へ 、潜 る

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其処は、海の底 真珠貝の生まれる場所より もっと深い場所 私が眠る夜よりも ずっとずっと ずっと 深いところ 君が眠れない夜と 同じ深さまで辿り着いて スタ-フィッシュと 珊瑚を繋ぎ合わせた、 ブレスレットにくちづける 夜が明けず 雑踏に取り残されたbaby 君はいま かつて私のいた場所で 世界中にたった独りきり 置き去りにされた様な顔をして 貝殻を ひとつずつ潰している 此所は、海の底の底 泡だけが きらきら 弾けたり、遊んだり 幻の様 いつか夢みた、サイダ-の飛沫 忘れられてゆく、 アトランティスの 細く美しいワイヤ- 瞬きと、鼓動の一瞬に まあるく射抜いた 現実の空洞 Derringer 世界が止まる。 温くなったシ-ツの慟哭 夢をみるためのdish 季節外れ 狂い咲いたポピ- 崩された安息 赦しの陽光 翳した兆し Anti-mornings. 漂う生命力 Flat-Out. 高級の闇と 恒久の満ち引きに、 笑顔を浮かべて。 ねえ、ほら 潜って行こうよ 恐れるものなんて どこにあるの? 私の指先を握り締めて 離せずにいるきみに そっとくちづけ、 魔法をあげる。 眠れるための 魔法なんかじゃなくて ただの、 きみがもっとずっと あたしの愛と あたしの体温に 埋もれて 溺れてしまうための魔法。 ねえ、 さあ 行こう
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