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「けいく…っ」
その彼の"甘い"言葉にまた視界が滲んだ。
「和は俺のそばにいてくれればそれでいいよ」
「…え?」
「そんな、泣いたり。
まあなんで泣いてんのかわかんないけど(笑)
その複雑に縺れた頭ん中で、いろんなこと考えてるんだろ?
そういうの、いらないから」
お前はお前でいてくれれば、それでいいから。
なんでこうやって。
圭くんには全部バレちゃうんだろう。
人よりはポーカーフェースで
壁がある、とか
何考えてるかわかんねえ、って
そんなことはよく言われるけど
"お前はお前でいい"
そんなこと…あんま言われないからな。
本当に無意識に。
再び圭くんの胸を押して体を離すと。
今度は俺のほうから圭くんの分厚い唇に自分のを押し付けた。
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