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乾いたアスファルトに横になったまま、はらはらと舞い落ちる桜の花びらにそっと触れる。
花びらはまるで、温度があるかのように温かい。
…春も終わるんだな…。
日差しは暖かい。
風も心地よくて、眠りを誘っている。
うららかな午後。
起き上がるのが面倒。
いっそこのまま寝てしまおうかと思う。
けれどもそろそろ行かないと、きっと心配させてしまう。
…もう行かなきゃ…。
体、冷えちゃうかな…。
そう思って、自分で自分のお腹の辺りをギュッとする。
…眠い…。もうちょっとだけ…。
…もうちょっとだけ、花びらが散るのを見たら行こう…。
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