* 冷たい上司

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「もうすぐ帰れると思います。…って広田さん、今日直帰だったはずじゃ…?」 確かホワイトボードにはそう書いてあった。 「明日の最終確認しに戻ってきた。色々前もって読んどきたいし。」 「そうですか…。」 さすが広田さんだと思った。 別の案件も抱えてて忙しいはずなのに、その姿勢に心から尊敬してしまう。 こういう人だからこそ仕事ができるのだろう。 「緊張してる?初長野でしょ。」 広田さんがコーヒーを傾けながら尋ねた。 「そうですね…。泊まりになるのは初めてだし、今回みたいな大きな案件に関わらせてもらうのも緊張します。」 今まで日帰りの出張について行く事はあったが、大抵広田さんか水野主任と2人だけだった。 今回のようにグループ総出なんて事はまずなかった。 しかも今回は、きよらと岡本さんも接待に参加することになってる。 接待自体も初めてだが、何より自分がお酒に弱いのが気にかかる。 …新人のクセに自分だけ飲めませんなんて言えないし、やっぱり具合が悪くなってでも飲んでおくべきだよね…。 …とにかく、水野主任や広田さんの仕事に迷惑がかからないようにしないと…。
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