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そんなことを悶々と考えていると、再び広田さんの声が降ってきた。
「りんご、食べないとだしね。」
「……。」
フッと笑った広田さんに、きよらは苦笑いを浮かべた。
カップのコーヒーを一気に飲み干して、広田さんは「じゃ」と片手を挙げて休憩コーナーを出て行った。
…だからそんなにりんご好きじゃありませんてば…。
むーっとふてくされながら、ミルクティーに口をつける。
緊張と不安が少しほどけた気がして、広田さんなりの優しさだと思った。
しばらく休憩コーナーでぼーっとしてから自分のブースに戻ると、広田さんも岡本さんも既に帰っていた。
メールを確認したけど、岡本さんからは来ていない。
…資料、大丈夫かな…。
きよらが1人で残ってもできる事はもう何もないので、帰り支度を始めた。
スーツのジャケットを羽織った所でケータイが震えた。
震え方が短いからメールだ。
見ると、水野主任だった。
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