愛を乞う

* 冷たい上司

『明日6時半に南口改札前』

…短っ…!!
…メールっていうか電報みたいだし…。

『了解です』

打ち合わせでも言ってたから分かりますよと思いつつ、負けずに短いメールを返信する。
すると、またすぐケータイが震えてびっくりした。
今度は広田さんだった。

『長野はもう寒いから暖かい格好して来なよ』

同じく短いメールなのに、こうも温かさが違う。

『了解です。ありがとうございます』

もらった優しさの分、水野主任とは差をつけようとスマイル絵文字を付けて返信してみた。
…はー、また緊張してきた…。
…今夜寝れるかな…。

結局、アパートのベッドで何度も寝返りをうち、寝たのか寝てないのか分からない感じで長野行きの朝を迎えた。
熱いシャワーを浴び、広田さんのアドバイス通り、秋物のコートをスーツの上に羽織る。