* 冷たい上司

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前の席では広田さんと岡本さんが何やら話してて、時折笑い声が聞こえる。 広田さんの笑い声が新鮮な感じがする。 …ていうか、岡本さんと資料の確認したかったのにな…。 てっきり岡本さんの隣に座る気でいたのに、まさかこの人の隣に座ることになるとは思ってもみなかった。 広田さんにもらったミルクティーを両掌で弄びながら、窓の外の景色を眺める。 外は快晴だった。 やがて新幹線が発車して、ぐんぐん景色が流れていく。 ミルクティーがぬるくなってきたので、隣の水野主任を起こさないように、細心の注意を払いながらプルタブを開けた。 水野主任は、最初に座って目を閉じた姿勢から身動き一つしていない。 …よかった。起こしてないみたい…。 …それにしてもキレイな顔…。 黙ってれば言うコトないのに…。 寝ているのをいいことに、水野主任の顔を横目でじっくり観察していると、突然目が開いてコチラを見た。 「…何?」 「わわっ!!」 ビクッとし過ぎて、思わずミルクティーをこぼす。
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