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どうしよう・・・・・・・・
打ち所がわるかったのかな・・・。
記憶喪失ってことだよね。
「どうしよう。凄く困った・・・。」
そう言ったら、少年は少し微笑んだ。
あ、笑った。
何故今笑うのだろう…
この子に関しては分からないことだらけで、パニックになりそうだ。
あれ?でも
どこかで・・・・見たような・・・。
と思ったが少年の体が心配で
深く考えなかった。
「やっぱり、今から救急車を呼ぶね」
病院に行ったが、別状はなかった。
それは、とても安心した。
ただ、
記憶喪失になっているのも原因不明だった。
そして、少年は帰る場所も分からない。
このままこの子は警察に預けた方がいいのだろうか。
先生に相談しようとした。
だけど、少年は
あっ!と何かを思い出したように言った。
「このお姉ちゃんはお母さんの親戚の人なんです。今日、遊びに行くと
電話で話したんだ。そうだったよね?」
ぇ。そうだっけ?
ぃゃ、私はこの少年知らないぞ。
「そうなんですか?梅村さん。」
先生も半信半疑。
それでも少年は、そうだと言ってと言わんばかりの眼差し。
結局、それに負けた私は、そうですと答えた。
警察に届けられることもなく、
二人でまた私の家に戻ってきた。
少年は何故嘘をついたのか・・・
私には分からなかった。
だけど、私も何故か否定できなかった。
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