その日も同じはずだった。

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「コホン、梅村君。ちょっと・・・。」 上司に呼ばれた。 きっと、いや、またお小言をいわれるのだろう。 仕事ができないわけではない。 だからといって、出来るわけでもない。 小さなミスも少しはする。 でも、それはみんな同じ事。 だけど、私だけがよくこうして呼ばれるのだ。 ヒソヒソと声がする。 「また、梅村さん呼ばれてる・・・。  今度は何をしたのかな・・。」 「ていうか、ちょっと可哀相だよね。」 「まぁ、私が怒られなくてすむからいいけど。」 「シッ!聞こえる」 そう、私は毎度毎度こうして嫌味を言われる。 もうこんな日常なれたけど。 少し太った頭のウスい、いかにもって感じの外見で、 あぶらぎってる顔は私を馬鹿にした態度で、嫌味を吐く。 どこから、わいてくるのだろう。 延々と私に喋り続ける。 それでも、いつものことで慣れてしまった私には、 何もひびかない。 そう。 いつものことだから・・・・。
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