その日も同じはずだった。

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あきがいうには、女に生まれたからには 女の武器を最大限にして活用するべきらしい。 「沙綾のいいところは相手を想えるところだよね。  今だって、私が飲めないからって、私の好きな  お酒たのんだでしょ?男だったら完璧」 褒め言葉なのか、そうでないのかわからないけど、 一応ありがとうと答えた。 「あき・・・いつの間に名前知ったの?」 「前回飲みに行ったとき、沙綾電話しに外に出たでしょ?  あの時ちょうど聖さんがきて、お話したんだ。  聖さんってホントにいい声だよねー。顔もよし。  体系もよし。言うことないわ!おまけにカノジョなし!!  もう、今が狙い目じゃない??」 意気揚々と話すあき。 「ていうかさ、私たちもう25歳になるんだから  沙綾もなんかコイバナとかないの?」 ないの?あたりでかぶるように答えた。 「ない。」 「ちょ・・・はやっ。つまんないじゃんーー  浮いた話の一つや二つくらいきかせてよー。」 そうだ・・・。 私は毎日つまらない。 何にも面白さを感じられない。 いつからだろう・・・・ 面白くないと毎日過ごし始めたのは。。。。 昔はそんなんじゃなかったような気もするし そうだった気もする。 あまり思い出せない・・・・。 世界が色をもたない。真っ白な世界に見え始めたのは いつ頃なんだろう・・・・ でも、あきと出会ってからこういう時間は 少し色がつくようになった。 私のこの変化は大きな成長だと思えた。 でもここであきと別れたら また真っ白な時間の始まりだ。
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