その日も同じはずだった。

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それでも、私の気持ちとは裏腹に 時間は刻一刻と進んでいく。 「ありがとうございましたー!  またお待ちしてまーす!!」 笑顔で手を振る聖さんに ハートマークのあきが振り返す。 「また来ようね!!沙綾!!  明日とかどう??」 早すぎ・・・・ 「明日は無理。」 「じゃぁ、明後日だね!」 即答で返された。 あきとのこういう時間は嫌いじゃないから 私は、うん、と答え、その場であきと別れた。 明日もまた仕事。 スカイブルーからは 家まで、そう遠くはない。 電車で2駅くらいのところにある。 それでもこの時間もたいくつなものになってしまう。 また同じ日常の繰り返しか・・・。 家に帰って、また明日がきて 同じ時間を過ごす・・・。 どこでこの無限のループは終わるのだろう。 私はそんなつまらない考え事をしていた。 家の最寄り駅を降り、 曲がり角をまがった。 ドンッ ゴチ 何かが勢いよくぶつかった。そして転んだ。 起き上がると、高校生にも満たない男の子が 地面に頭をぶつけて 失神していた。
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