――満月が赤黒く染まった夜の事。

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――――…… 女の子:「……おねー……ちゃん……」 女性:「あ、みかん……私、どうかしてた?……おかしいなぁ、部屋に居たんだけど……あ、そっか皆既月食だっけ?」 女の子:「……」 女性:「寝ぼけてたかな~っ、ごめんね?怒ってる?」 女の子:「……おねーちゃんの…………美味しそう……」 女性:「え……何?か、かなりご立腹?」 女の子:「……すごく、あまそう……」 女性:「あ、みかんまで寝ぼけてるでしょ?よし、家の中に……」 女の子:「……おねーちゃんの……血、美味しそう……」 女性:「……みか、ん?」 女の子:「……いただきまぁす……」 女性:「い、いや……ど、どうしたの⁉ねぇ、みかん……冗談、だよね?ねっ……いやあああっ‼」 ――――…… ――気付くと、私はお姉ちゃんの腕に噛み付いてて……私は、流れ出る血を……飲んでた。 女の子:「……え?」 ――美味しかった。 女性:「……みかん、どうしちゃったの……?」 女の子:「えっ、えっ?」 女性:「まるで【吸血鬼】だよ?」 ――まるで、じゃなく……私は、その日から……正真正銘の吸血鬼になった。
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