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不可思議な依頼だった。
――コンサートまでの護衛っつーからどんな輩がユーリを襲いに来るのかと思えば、この一ヶ月、なんの危険もありゃしねぇ。
あった、と言えばユーリのストーカーみてぇなのが乗り込んできたくらいか。
そう大した事じゃねぇ。それなのに、報酬は法外と言っても良い位の金額だ。
――もしも何かあるとすれば…今日か。
彼女がステージに上がっている時。
人の多さから考えれば危険度ゼロだが、ステージに立つ時に彼女は一人。
それを考えれば危険な状態とも言える。
「なんにしても、始まってみなけりゃわからねぇな…」
言いながら、シェリーも部屋を後にする。
初めから見てて欲しいという願いを口にした、小さな少女のため、その少女から、危険を払うため。
部屋から立ち去るシェリーの背には、巨大な鉄の塊と言えるほど大きく、分厚い大剣が背負われていた。
××
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