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 結局のところ、人外は人間の数と、科学の力に負けたと言っていい。  そうして人外達は自分達の場所を追われ、身を隠すようにして生きる生き方を強いられた。  当初人外個体の力を脅威に感じていた筈の人間も、数、そして対抗でき得る力を得て圧倒的有利に立ったため、やがて人外を恐れなくなった。  その代わりのように人外は、迫害する対象と見なされた。  恐怖していた過去の文化を背景に、その恐怖心のあまりに迫害した、というのが正しい言い方だろう。  また、現在もなお人外の脅威が消えたわけではない。  魔法の力で人外達を概ね抑制する事に成功したものの、魔法すら役に立たない程の力を持つ人外も、この世界にはいたのだ。  けれどその数は少なかった。  だから、人々は圧倒的能力を持つ人外恐れ、迫害した。  自分達の領域に人外が入り込めば、石を投げ、捕らえ、隔離し、監視した。  自分達の手中に収めて安全を保とうとした、それだけの事だ。  そうして人間と人外は関わり、殺し合い、決して相見えず、この世界で共存していたのだ。            ××  世界の終わりに触れる者達は、人間でもあり人外でもあった。  この世界を終わらせるのは、人間か?人外か?  それとも――両方か?
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