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「…?何?」
エリカの様子が不思議で、シオンは頭の上にクエスチョンマークを乗せながら問う。
「町の人達が、シエラはシオンとどこかに行ったっていうから…」
「はぁ?」
頭の上のクエスチョンマークが二つに増える。
「俺、朝からずっとここで剣の修行してたし、シエラにも会ってないぞ?」
「だよね。あたしもそれは知ってるから…変だなと思って」
二人して頭の上にクエスチョンマークを浮かべる。
――その時、シオンの背筋にゾクリと悪寒が走った。
「なッ…!」
言い知れぬ、けれど壮絶な寒気に驚き、シオンは意識の先に振り返る。
けれど、後ろを見ても、いつも通りの景色が広がるばかりでなにもない。
「?」
不思議そうな顔でエリカはシオンを見た。
「いや…なんでもない。」
不可思議に思いながらも気のせいかと、シオンはその悪寒を振り払うように頭を振る。
「エリカ、とりあえず一緒に探しに行ってみよう。」
先ほどの悪寒のせいもあって、なにやら嫌な予感を感じたシオンはエリカを促した。
「教会や町のみんなには聞いたんだろ?それだったら町の外か…とにかく見回ってみるしかない。司教様に言ってから行こう!」
そう言ってから二人は揃って駆け出した。
××
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