赤の物語【1】

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「…?何?」  エリカの様子が不思議で、シオンは頭の上にクエスチョンマークを乗せながら問う。 「町の人達が、シエラはシオンとどこかに行ったっていうから…」 「はぁ?」  頭の上のクエスチョンマークが二つに増える。 「俺、朝からずっとここで剣の修行してたし、シエラにも会ってないぞ?」 「だよね。あたしもそれは知ってるから…変だなと思って」  二人して頭の上にクエスチョンマークを浮かべる。  ――その時、シオンの背筋にゾクリと悪寒が走った。 「なッ…!」  言い知れぬ、けれど壮絶な寒気に驚き、シオンは意識の先に振り返る。  けれど、後ろを見ても、いつも通りの景色が広がるばかりでなにもない。 「?」  不思議そうな顔でエリカはシオンを見た。 「いや…なんでもない。」  不可思議に思いながらも気のせいかと、シオンはその悪寒を振り払うように頭を振る。 「エリカ、とりあえず一緒に探しに行ってみよう。」  先ほどの悪寒のせいもあって、なにやら嫌な予感を感じたシオンはエリカを促した。 「教会や町のみんなには聞いたんだろ?それだったら町の外か…とにかく見回ってみるしかない。司教様に言ってから行こう!」  そう言ってから二人は揃って駆け出した。            ××
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