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「は~い
しゅ~りょぉ~」
今だ頭の整理がつかない信夫の横でアリスの緊張感のない声が聞こえる。
「えほっ!!
ゴホゴホ!!
ハァ~・・・
ハァ~・・・」
クレイドールが居なくなりやっと自由な呼吸が出来るようになる。
「あんた本当弱すぎ・・・
そんな致命傷ばっか喰らってたら私が疲れちゃうじゃないの」
アリスが呆れたように信夫の横にしゃがみ込んで言う。
「あ゙?
何でお前が疲れんだよ」
信夫は今だ違和感が残る腹部を摩りながら起き上がる。
「そういえばまだ言ってなかったわね。
私はあんたはアンデットって言ったけど本質的にはそうじゃない。
あんたに掛けたきんきじゅじゅつ“じゅげむ”によって――」
「待て待て!
何?
キンキジュジュァ――?」
「禁忌呪術“寿限無”!!
私の一族に伝わる秘伝の魔法!!
で、
この術は契約を交わした術者の魔力を契約者に強制的に移送させることで契約者が最も良好な状態にさせる。
だからたとえあんたが致命傷を受けても死よりも先に細胞が再生する。
つまりあんたは私の魔力を吸って生きてるってこと、
わかった?」
ごめん訳分からん。
「え~っと簡単に言うとあれか?
あの脅威的な回復力はアリスのおかげで俺がダメージを受け過ぎるとアリスも疲れるってこと・・・なのか?」
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