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「まぁ間違ってはないからそれでいいわ」
アリスが澄まし顔で答える。
しかし一族の秘伝の魔法か・・・
禁忌呪術“寿限無”
大層なことしてくれんな本当。
ってか禁忌呪術って・・・
まぁ呪いっちゃぁ呪いだな。
いやまて、
禁忌!?
「禁忌呪術ってもしかして使っちゃいけないんじゃ・・・」
信夫は恐る恐るアリスに尋ねてみる。
「ええまぁ昔は捕虜とかに使って永久に使える奴隷を大量生産してたみたいよ」
アリスが笑顔でさらりと言う。
(聞かなきゃよかったぁぁぁぁぁ!!!!
ってかまんま今の俺じゃん!!)
というか遠回しに駄目って意味ですよねこれ!?
「あっでも今は規制が厳しくなって魔法の対象や使用条件も書き換えられて制限されてるわ。
だから“禁忌”って言うのは昔の名残よ、
心配しないで」
青い顔の信夫を気遣ってかアリスが続ける。
信夫がほっとしたように胸を撫で下ろすと忘れていた感情を思い出す。
「そういやお前何でもっと早く助けてくんねぇんだよ!!
ってか最初からお前がやれば俺が戦う意味ねぇじゃん!!」
改めて考えるとあまりにも理不尽な状況にどんどん怒りが込み上げてくる。
「ハァ~あんた馬鹿?
それじゃぁあなたのためにならないじゃない」
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