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少女が真顔で尋ねてくる。
「お前さっきから何言ってんだ?
訳分かんね~よ」
呆れたように信夫が返す。
「えっ!?
どうゆうこと!?
あんたもしかして――」
「グォォォォォ!!!!」
少女が何か言おうとしたのだがその声は怪物の雄叫びによって掻き消される。
「チッ!!」
信夫は舌打ちをしてバットを構える。
「いいからあんたは早く逃げろ!!」
「ちょっまっ――」
少女の制止を無視して怪物に突っ込む。
一気に間合いを詰めて中段から横に振り抜く。
がその攻撃は簡単に右腕で止められる。
怪物が腕でバットを振り払いあいた信夫の脇腹に左手を突き刺す。
「グゥッ!!!!」
右の脇腹から鮮血が溢れ出る。
バットを後ろにつきそれを支えにして怪物の腹に蹴りを入れる。
怪物の爪が抜け血が一気に吹き出る。
「ダァァァァァ!!!!」
右手で脇腹を抑え左手のバットを振り抜く。
バランスが崩れていた怪物はそれでも十分吹っ飛んだ。
「ハァー・・・
ハァー・・・」
息が荒くなり脂汗が止まらない。
「ちょっとあんた何やってのよ!!
不細工
ってかあんたあれ見えてんの!?
不細工」
後ろから罵倒が聞こえる。
「あ゛!?
見えてるに決まってんだろ!!
やっぱ電波かお前!?
ってか不細工って言うな!!」
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