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「いってぇなぁ!!!!」
信夫は何故か捨てたはずのバットを手に握り振り返り様に怪物を殴り飛ばす。
吹っ飛んだ怪物は公園の奥の方にある寂れた遊具に叩き付けられる。
「ハァー・・・
大丈夫か?
ハァー・・・
だから早く逃げろつってんの・・・」
背中の傷は深く大量の血で濡れていたためにまるで体に風穴が開いたようにスースーする。
少女は驚いているのか目を見開いて口をパクパクとさせている。
「ハァー・・・
あいつは俺が引き付けとくから早く逃げろ」
信夫は立ち上がりながら荒い声で言う。
「でっでもあんた血が・・・
傷が・・・」
少女がようやく絞り出したように言う。
さらにその目には涙が溜まっている。
「大丈夫、
あんたは俺が死ぬまで守る。
絶対に・・・
だから安心して早く逃げろ」
我ながら臭い台詞だとは思ったが今は少女に一刻も早く逃げてほしかった。
「ふえっ!?
なっなななな何言ってんのよあああああんた!!」
少女が激しく赤面して慌てふためく。
「だ~から俺が死ぬまで守るってんだよ!!
何回も言わせんな」
少女が恥ずかしそうにしているので何だか俺まで恥ずかしくなる。
「あんたよくもそんな恥ずかしい台詞を何回も・・・
ってかキモッ!!」
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