プロローグ

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少女の顔が一層赤くなりナワナワと奮えていた。 「うっせ――」 「グォォォォォ!!!!」 信夫が少女に言い返そうとした時再び怪物の雄叫びが聞こえる。 「チッ・・・ まぁそうゆうことださっさと逃げろ」 信夫は怪物にバットを振り翳す。 「あんた馬鹿!? 本当に死ぬわよ!?」 少女が制服の裾を掴んで信夫を止める。 「別に俺が死んでも誰も悲しまねぇよ・・・ だから放せ」 「もういいから・・・ 何で私なんかのためにそんな」 少女は申し訳なさそうに俯く。 怪物が一気に突っ込んでくる。 来るっ・・・!! 「あんたは動かないで」 少女が裾を握っている手に力を込める。 「いやっでもあいつどうすんだよ!!」 「だからもう見てらんないから私がやるっつってんのよ!!」 そう言うと少女は右手の手の平を怪物に向ける。 そしてそれをグッと握るとグチャァと腐った果肉が潰れたような音がして怪物が内側から破裂する。 信夫は怪物の体液と思われる液体を雨のように浴びながら唖然としていた。 えぇぇぇぇぇ!!!! なにこの子目茶苦茶強いじゃん!! ってかさっきもあの動作してたよね・・・ 完全に邪魔した!? ってか何で俺ここまでやったんだ?
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